大山北側山麓から見る矢筈ヶ仙 |
歩行距離 | 10.3km |
所要時間 | 5時間10分 |
累積標高差 | (+) 709m (-) 709m |
コース | 駐車地点 07:30 → 川床登山口07:33 → 岩伏分れ08:13 → 香取分れ08:27 → 大休峠09:15 → 矢筈ヶ仙10:00 → 大休峠11:22 → 香取分れ11:45 → 岩伏分れ12:00 → 川床登山口12:37 →駐車地点 12:40 |
高校を卒業して以来、勤めている船会社でタンカー船に乗っている。通常6ヶ月船に乗り、2か月半程度の休暇がある。乗船期間中は家に帰ることができず休みもないが、休暇期間中は完全なフリーの状態になり、好きなことができる。しかし山登りを始める以前は、休暇中といえば怠惰な生活を送り無駄な時間を過ごしてきた・・・。もう少し早く山登りの魅力に気付いていれば、もっと沢山に山に登ることができたのだが・・・。休暇は、一年中のいつになるか分からない。夏か秋に当たれば北アルプスや南アルプスの山に登ることができるのだが・・・。春頃が多くままならない。今が一番充実した休暇を過ごしているのかもしれない。
今回の休暇は秋にあたった。こんなチャンスはあまりない。急に思い立ち紅葉の美しい山の登ることにする。候補地としては、恐羅漢山、三瓶山、大山周辺の山であるが、三瓶山もいいのだが・・・。迷った挙句、大山の近くの矢筈ヶ山を選ぶ。1泊2日の計画を立てる。
昼過ぎに自宅を出発し、山陰沿いの国道191、9号線と部分的ある高速道路を経て、夕方道の駅「きらら多岐」に到着する。近くの「多岐いちじく温泉」に入り。今晩は「きらら多岐」で車中泊だ。今の自分は、暇さえあれば小旅行に出かけている。放浪に憧れていた若いころの夢を少し実現できている・・・。4年前に4WDのスズキエブリを購入してもう数十回も車の中で寝ただろうか。車の中では不思議と安眠ができる。
04:45「きらら多岐」を出発しまだ暗い国道9号線を走る。これまでの数回の鳥取遠征で、周辺の地理にも馴れてきた。山陰自動車道、山陰道を経て、東伯・中山道路の大山ICから高速道を降る。真っ直ぐに大山に向かって延びる道を走る。大山山麓の博郎座駐車場を経て広大な大山スキー場を横切り、川床登山口の近くのカーブのスペースに車を停める。07:35川床登山口に入る。目の前の空き地には数台の県外ナンバーの車が停めてある。深い自然林の森に入っていく。空気が冷たくすがすがしい。小さい渓谷のようになった阿弥陀川の木橋を渡る。低い橋は増水時は、水没してしまうのではなかろうか。紅葉した自然林の森の緩やかな登りを行く。整備された道は歩きやすい。
岩伏分れ、香取別れを過ぎると石畳の道になる。1600年、付近住民が大山寺への参道として造られたものだという。起伏の少ない道を行く。周りに紅葉したブナの巨木が目立つようになる。高さ30mもありそうな巨木がたくさんある。左手の木々の間に矢筈ヶ山らしき山並みが見えてくる。
目の前に大きな小屋が見えてくる。大休峠の避難小屋だ。小屋の西側の視界が開け、野田ヶ山と山肌にぽつりと建つユートピア避難小屋が見える。美しい風景だ。避難小屋のすぐそばにある矢筈ヶ山の登山口に入る。道は急坂になり、喘ぎながら登っていく。岩場の急坂を登りきり1300m峰に達する。南側の視界が開け蒜山の山並みを見る。道はブナの巨木の中のなだらかな尾根道になる。紅葉は既に終わり葉っぱ全部落ちている。鞍部を過ぎると道は、両側が低木の真っ直ぐな上りになる。視界が開けた場所の岩の上で背後を振り返ると素晴らしい絶景が広がる。登ってきた1300m峰の向こうに大山の山塊とその左には鳥ヶ山が見える。中国地方の他の山々では見ることの出来ない風景だ。最後の急坂を登り、矢筈ヶ山山頂(1358.4m)に到着する。
狭い山頂からは、思わず声をあげてしまう360度の大展望が広がる。今日の視界は最高だ。北側には、小矢筈ヶ山とその先に稜線でつながる甲ヶ山が見える。その細い稜線は手強そうだ。その先には山陰の海岸線と広い日本海が見える。山頂東側には、遠く氷ノ山、扇ノ山、後山などの山並みが見える。南側には蒜山の三山とその向こうに那岐山などが見える。西側には目の前にどっしりと大山がそびえる。山の木々の葉は枯れ落ち、期待していた紅葉はすで終わっている。それにしても素晴らしい風景だ。山頂でチキンラーメンとおむすびを食べた後下山を始める。急坂を慎重に下る。大休峠まで降りてくる。避難小屋で休んでいる中高年夫婦が声をかけてくる。鹿児島から来たそうで、自分とは反対側の野田ヶ山、振り子山、三鈷峰に登ってきたそうだ。この山旅で大山周辺には、いくつかの魅力的な山々があることを知る。いつかまた登りにこなければ・・・。
下山後、萩に帰るので休まず、紅葉の森を楽しみながら快調に速足で歩く。所要時間5時間10分、無事、愛車まで戻ってくる。今から萩に帰る。5時間のドライブで夕食の時間までにはなんとか家に着きそうだ。帰りに道の駅「きらら多岐」によりお土産を買わなければ・・・。
山陰道を降り大山方向に走る。 |
広大な大山スキー場を過ぎ、川床登山口付近で。 |
少し引き返しカーブの脇のスペースに車を停める。 |
川床登山口付近から大山の山々を見る。 |
川床登山口に入る。 |
素晴らしいトレッキングコースであることを予感させる。 |
・・・ |
阿弥陀川を渡る。 |
阿弥陀川 |
要所に標識がある。 岩伏分れを通過する。 |
香取分れを通過する。 川床・一向平コース(現地解説) 古来「大山のみち」の中でも一番険しいルートで、倉吉、関金、赤崎方面 から地蔵信仰と牛馬市のための往来したものである。全国的にブナ林 が減りその危機がさけばれている時、このコースの核心部である大休峠 一帯のブナ林は、西日本では非常に貴重なものとなっています。 |
登山道周辺は紅葉真っ盛り・背の高い木が目立つ。 |
石畳道 |
石畳道 |
石畳道 (現地解説) この石畳道は、遠く大山寺とは離れていますが、野添、野井倉方面 からの参道の一部として付近の村人達によって慶長年間(1600年) に寄進造成されたものと言われており、大山寺に対する信仰が 厚かったことがしのばれます。 |
大休峠避難小屋 |
小屋の前からはユートピア避難小屋がよく見える。 | 大休峠避難小屋の前の登山道に入り1300mピークを見る。 |
岩場の急登を登る・きつい!! |
1300mピークを過ぎなだらかな尾根道を過ぎ、最後の上りを登る。 |
矢筈ヶ岳山頂に到着する。 今日の山メシはおむすびとチキンラーメン。 |
矢筈ヶ岳山頂(1358.6m) 山頂から孝霊山を見る。 |
狭い矢筈ヶ山山頂 |
山見る方向により姿を変える雄大な大山は、やっぱり名峰だ!! 大山の左手には鳥ヶ山が見える。 矢筈ヶ山西側の眺望・中国地方の山でこんな風景は他に無い。 山頂北側には甲ヶ山と小矢筈が見える。船上山まで続く稜線は、険しく難度が高そうだ。四国の山のようだ。 中国地方にもこんな山があったのか・・・!! |
矢筈ヶ仙東側の眺望。鳥取県と岡山県の県境付近の山々が見える。 矢筈ヶ仙南東側の眺望。 矢筈ヶ仙南の眺望・那岐山と蒜山の三山が見える。 |
下山途中矢筈ヶ仙と1300mピークの間にある木々・春になれば豊かな森になるに違いない。 |
豊かな紅葉の森を下る。 |
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